fur-furの日記

抗菌化学療法認定薬剤師が日々の勉強したことを共有します。

ビクシリン内服薬って必要?

今日ビクシリンの処方が出たのでカルテチェック!

 

症例は50台女性。

感染源は尿路感染症

原因微生物はE. coli(感性菌)

本日までABPCを点滴していた。

 

主治医は点滴のルートの確保が困難であるため内服薬に切り替えを考慮してビクシリンを処方していた。

 

☆fur-furの見解☆

まず原因菌はE. coliで感受性も良好であることからアンピシリン(ビクシリン)は問題ないと考える。むしろカバーできる菌が少なくて済む→耐性化防止できる。

ただし、ビクシリンは吸収率が悪いとされている。(吸収率が40-50%の報告もある)

よって吸収率がよく原因微生物に対して抗菌活性があり狭域な内服抗菌薬を考えた。

 

アモキシシリンは吸収率は約80%(参考文献:サンフォード感染症ガイド2021)あり、狭域なスペクトルで本症例でE. coliに感受性がある。

 

よって主治医にアモキシシリンの内服を提案した。

 

主治医としては吸収率まで意識しておらず吸収のよいアモキシシリンに変更になった。

 

実際実臨床でビクシリンを内服する機会ってどういう時なのあろうかと考えたがおそらくないと思われる。

 

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