fur-furの日記

抗菌化学療法認定薬剤師が日々の勉強したことを共有します。

抗酸菌感染症

抗酸菌とは

細胞壁に多量の脂肪を含み、加温しないと染色されいくいが一度染色されると酸やアルコールで脱色されにくくなる。

代表的な菌種:結核それ以外結核性抗酸菌(nontuberculous mycobacteria:NTM)

 

NTM症:NTMは塵埃、土壌、など自然界に存在

    Mycobacterium avium compreX(MAC)症約80%

    M.kansasii症8%

    M.abscessus症3%

NTM症は患者家族や大量排菌者との接触からの発症はほとんどない。

一部を除きヒトーヒト感染は無視できると考えられている。

発病には宿主側の因子が重要と考えられている。

 

〇抗菌化学療法

結核

初期2か月間:PZA+INH+RFP+SMorEB

以降4か月:INH+RFP

 

【PZA内服困難の場合】

初期2か月:INH+RFP+SMorEB

以降7か月:INH+RFP

 

EB耐性よりSM耐性の頻度が高いため通常EBを選択する。

INH、RFPともに感受性であることが確認された場合EBorSMを2か月で終了する

 

【肺MAC症】

日本結核病学会のMAC症治療の見解

RFP+EB+CAMの3剤治療、これにSMorKM(保険適応なし)を加えた4剤治療

治療期間:英国胸部学会ガイドライン2017では菌院陰性後少なくとも12か月継続の記載

MAC症ではCAMがキードラッグであり単剤は耐性化のため禁忌

NTM症において1日800mg投与できる。

 

【肺M. kansasii症】

INH+RFP+EB

治療期間:菌陰性化から12か月継続

 

【肺M. absecessus症】

RFP、EBに自然耐性

AMK+イミペネム+CAM 2~4か月入院治療

以降CAM+モキシフロキサシンorシタフロキサシン+ファロペネム