fur-furの日記

抗菌化学療法認定薬剤師が日々の勉強したことを共有します。

抗菌薬の有効性とPK/PD

①PKとは

Pharmacokinetics(薬物動態)を意味する

薬物の用法・用量と生体内での薬物濃度推移の関係を表す

 

②PDとは

Pharmacodynamics(薬力学)を意味する

薬物の生体内での暴露と作用の関係を表す。

 

【PDパラメータ】

〇最小発育阻止濃度(minimum inhibitory consentration: MIC)

抗菌薬存在か細菌を培養した際に、細菌の発育を抑制するのに必要な抗菌薬の最小濃度のこと

 

〇耐性菌発育阻止濃度(mutation pre-vention concentration:MPC)

抗菌薬に暴露後MICが上昇することがある

耐性化を防ぐために必要な抗菌薬の十分な濃度

 

〇PAE(post-antibiotic effect)

MIC以上の薬物濃度に暴露された後、薬物濃度がMIC以下になっても継続して菌の増殖を抑える効果

MIC以上のAUCやCpeakによく相関する

アミノグリコシド系薬やフルオロキノロン系薬

 

【抗菌薬のPK/PD】

キノロン系 AUC/MIC

β-ラクタム系 TAM, EM

アミノグリコシド系 Cpeak/MIC

グリコペプチドAUC/MIC

 

※不適切な投与量・投与方法は耐性菌を生む!

肺炎球菌によるβ-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌(β-lactamase-nonproducing ABPC resistance:BLNAR)株増加の原因は小児に対するCFDN, CPDX, CCLなどの経口セフェム系薬の投与量不十分な薬物濃度でなかったことが原因とされている。

 

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