fur-furの日記

抗菌化学療法認定薬剤師が日々の勉強したことを共有します。

感染症勉強開始

感染症について勉強します。

まずは真菌感染症からやっていきます。

 

深在性真菌症

〇感染経路

経気道感染、経皮的感染、経腸管的感染

 

〇原因菌

アスペルギルス属、クリプトコッカス属など

 

〇病態

原因菌が自然の環境中に存在する真菌で呼吸により吸入している。

健常人は防御能(気道上皮の線毛運動や喀痰などの異物排出機能)で感染しない。

ただし、血液悪性疾患、造血幹細胞移植臓器移植患者、免疫抑制薬を投与を受けている患者などが感染する。

 

治療薬

ボリコナゾール(VRCZ)

真菌細胞膜の主要構成成分であるエルゴステロールの合成を阻害して抗真菌作用を発揮します。

エルゴステロールの前駆体であるラノステロールまたはエブリコールの14α位の脱メチル化に関与する酵素C-14α-ラノステロール脱メチル酵素)を阻害して、エルゴステロールの合成を阻害しています。

 

薬物相互作用

免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス)CYP3A4阻害免疫抑制剤血中濃度上昇

SU薬:CYP阻害によりSU薬の血中濃度上昇に低血糖

ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬(ビンクリスチン、ビンブラスチン等)CYP3A4阻害により抗悪性腫瘍薬の血中濃度上昇

ワルファリンカリウムCYP2C19阻害しプロトロンビン時間延長

 

〇服用時注意点

食間投与する

高脂肪食後投与で血中濃度30%低下

 

その他注意点

VRCZ注射剤はスルホブチルエーテルβ射シクロデキストリン(SBECD)が可溶化剤として添加されておりCcrく30mL/minで禁忌