侵襲性カンジダ症
侵襲性カンジダ症
〇病態
一般に病原性は弱いが宿主の状態によっては血流感染症など命にかかわる感染症を引き起こす。
血行性に全身に播種してカンジダ眼内炎や肝膿瘍、血行播種性肺カンジダ症、骨髄炎などを発症する。
〇原因菌
Candida albicans、Candida parapsillosis、Candida glabrataなど
〇診断
血液、髄液、新生児の尿など無菌材料から検出されるときに判断される。
〇治療
カンジダ属種により抗菌薬の薬剤感受性は異なる
C. albicans:アゾール系、キャンディン系、ポリエン系等に基本的に感受性良好
C. glabrata:一部のアゾールに用量依存的に耐性
C. parapsillosis:キャンディン系のMICが高い
C. krusei:FLCZ耐性
☆抗菌薬の選択には感受性以外にも宿主に状態を考慮する。
好中球減少状態や重症の初期治療は殺菌性のあるキャンディン系やポリエン系を選択する。
重症でない症例や薬剤感受性検査判明後のステップダウンに対して静菌作用のアゾール系を選択する。
☆臓器移行性
カンジダ眼内炎:硝子体への移行性のよりフルコナゾールI(FLCZ)が第一選択
キャンディン系は硝子体への移行性不良
バイオフイルム形成が疑われる場合:キャンディン系やポリエン系(±5FC)
〇PK/PD
L-AMB:Cpeak/MIC
アゾール系: AUC/MIC
キャンディン系: AUC/MIC